なでしこの踊り2018夏

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• なでしこの踊りの成り立ちと、新しい試み

• • 九回目の開催となる「なでしこの踊り」が、新橋演舞場の地下特設会場「東」にて開催されました、この度なでしこの踊りに出演された芸者衆を取材させていただく機会に恵まれましたので、当日の様子や、今後の取り組みについてご紹介いたします。
    
    「なでしこの踊り」は、2014年8月に新橋芸者衆が毎年演舞場で開催される「東をどり」の次代のスターを探すことから始まりました。毎年若手の芸妓が踊りやお座敷遊び、花街に関するお話し等で会場を盛り上げる中、お客様は季節の食を楽しみながら、芸者衆のおもてなしを堪能できる。そんな新橋芸者と身近に交流できる催しとして、好評を得ています。
    
    そして、今回は初めての試みとして、赤坂の芸者衆を演舞場に招き、両花街の若手で舞台を作り上げる特別企画が開催される運びとなりました。新橋と赤坂、お互いに比較もされやすくも意識し合う関係でもあります。今回の催しのポスターも随所に対決を煽るような演出が見られ、期待感が高まります。
     
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    対決演出を前面に出たポスター

  • 出演者のご紹介（敬称略）

    新橋花柳界
    １組　秀千代、ぼたん
    ２組　七重、ちよ美
    地方　晶子、美葉、照代、多賀子
    
    
    赤坂花柳界
    １組　真希、明日香
    ２組　真由、こいく
    ３組　さつき、いち晴
    
    ※インタビュー当日は、1組の出演となります。
     
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    新橋・赤坂　出演者一覧

• 観て、呑んで、参加できる満足の内容

• • なでしこの踊りの第一部は、芸者衆の自己紹介に始まり、その後に新橋・赤坂芸者衆による踊り7演目を披露いただきました。パンフレットには各演目の解説がされたり、司会や芸者衆による説明もあって、踊りが初見の方でも楽しめる配慮がありました。番組内容も、夏にちなんだものや地元の銀座や、赤坂の日枝神社を舞台にしたものが組まれ、距離感を近く感じさせます。お写真は、小唄「銀座懐古」（秀千代、ぼたん）の一幕。「縁日で久しぶりに出逢った幼馴染が、人力車、鉄道馬車、ガス燈など、明治の銀座を懐かしむ情景」が伝わります。
    
    新橋と赤坂の競演ということで、この日のための踊りを稽古してきた内容は、他ではお目にかかれない貴重なものです。後で聞いた話、他の花街の芸者と共演することは滅多になく、踊りの流派の違いや、稽古の日程を調整したりと、大変なことは多いそうです。
    
    解説では、新橋・赤坂花柳界の成り立ちや、芸者や花柳界についての疑問を芸者衆が回答してくれる、質問コーナーが場を盛り上げます。ここで質問される内容は、回ごとに違うとのことなので、別日の回に参加すれば、また違った楽しみが味わえるので、リピート参加するのもいいかもしれません。
    
    第二部は芸者衆とのお座敷遊び「虎けん」を通じての交流時間が設けられます。初めは参加するのに照れがあったお客様も、時間が経つにつれて、我先に参加したいと挙手される方が大勢いて、緊張が和らいでいきます。催しの最後には芸者衆との交流時間があり、直接踊りの感想を伝えたり、記念写真を皆さん撮っていらっしゃいました。終演後には、舞台上での記念撮影タイム、あっという間の2時間でした。
    
    
    
    質問コーナーでの回答を一部ご紹介します
    

    Q. 芸者を目指した理由と、全国に花街がある中、なぜ新橋・赤坂の花柳界を選ばれたのでしょうか？

    秀千代：芸者は一生できるお仕事で定年がないことが良いと感じて目指しました。お唄や三味線などを生涯学べることも魅力に感じています。元々は金沢で芸者をやっていましたが、江戸に憧れて新橋に参りました。
    
    ぼたん：お姐さんに誘われて、そのまま新橋へ。
    
    明日香：母が踊りが好きで、私も好きになりました。海外に行った際に、外国から見た日本を意識した際に、芸者という職業がカッコよく見えて、この世界に飛び込みました。
    
    真希：中学生の時に舞妓の格好を見て決めました。高校には行かずに京都に行きたかったのですが、身長の関係で行けませんでした（※京都の花柳界には、入門するための審査で身長制限があると言われています）。赤坂に決めたのは、多くのお姐さん方に相談をして、この世界の厳しさを教えていただいのですが、「親に隠して、成る商売ではないので、まずは親を連れてきなさい」と言ってもらえた赤坂のお姐さんの言葉が当時の私に響き、赤坂に決めました。
    
     
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    小唄　銀座懐古の一場面
    
    
    新橋と赤坂芸者が競演
    
    
    虎けん　の遊び方を分かりやすく解説
    
    
    左から、明日香さん、真希さん、ぼたんさん、秀千代さん
    
     

• 取材を終えて

• 今回の取材で伝わってきたのは、東をどりと赤坂をどりの成功にかける芸者衆の強い意気込みでした。両花街にとって一年で最大の晴舞台というだけあり、より多くのお客様に自分達の稽古の成果を披露したいという気持ちが伝わってきます。
  
  東京屈指の花街である、新橋と赤坂と言えども、その規模は最盛期と比べると縮小しているのが現実です。参考比較として、新橋芸者数は800名から現在の約50名、料亭数は80軒から7軒になっています。赤坂も同様に、芸者数は500名から約30名に、料亭数は50軒から4軒に縮小しています。当サイトの目的の一つは、東京の芸者数を増やすことであるため、改めてどんなサポートができれるのかを考えさせられました。
  
  なでしこの踊りのお客様の中でも、東をどりや赤坂をどりを観に行ったことがある方は2，3割程でしたので、是非この機会に足を運んでみるのはいかがでしょうか？顔見知りの芸者が出演していると、観に行く楽しみが増えるものですので、今回のなでしこの踊りに参加された芸妓の応援に行かれるのも良いかもしれません。どちらもお勧めの催しとなりますので、是非一度、足を運んでみてください。
  
  ※注釈
  東をどり
  新橋芸者衆が新橋演舞場にて、稽古の成果を披露する催し。次回の2019年5月に第95回目の公演を迎えます。
  
  赤坂をどり
  昭和24年に始まり、2018年12月に第56回目の公演を迎える。開演当時は歌舞伎座で開催されていたが、現在はTBS赤坂ACTシアターでの公演となります。
  
  ご予約・お問い合わせ：
  なでしこの踊り・早春2019：チケットホン松竹　03-6745-0888
  第五十六回赤坂をどり：チケットスペース　03-3234-9999
  
  ※2019年度の東をどりのお問合せは、決まり次第、ご案内いたします。
  
  取材日：2018年7月21日

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    なでしこの踊り・早春2019
    2018年12月13日
     
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    第五十六回赤坂をどり
    2018年12月8日、9日
    

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